弊社は、AI クリエイティブの制作相談を具体化するため、ブランド企業との実案件を通じて整理・命名した AI クリエイティブ表現を 5 つのカテゴリに分類しています。業界共通の規格ではなく、何を作り、どの専門家と組み、何を確認するかを話し合うための独自分類です。

AI FOOH / AI Illustration & Animation / AI Craft Aesthetic / AI CGI / AI Conceptual Visuals の 5 つ。 順に紹介します。

1 つ目は AI FOOH。実在する街や建物を舞台に、現実には設置できない大きさの商品や演出を加え、現実のように見せる映像です。フェイクアウトオブホームの略称。従来の FOOH は CG、VFX、合成を含む表現形式で、これを AI 技術による制作へ置き換えたのが AI FOOH です。街と結びついたインパクトを残す短尺映像に向いています。ブランド側は、商品 CAD や正確な商品画像、ロゴデータ、想定する街、掲載先、誤認を避ける表示を確認します。制作側は、光、影、遠近、通行人や建物との関係など、制作要素を整理・調整します。

引用:AMI Paris 公式インスタグラムより

2 つ目は AI Illustration & Animation。ブランドの世界観をイラストで設計し、AI アニメーション技術によって絵柄を保ちながら複数の場面や動きへ広げる方法です。静止画一枚だけでなく、連続するカットの色、線、人物、商品表現をそろえ、ティーザー映像やキャンペーンシリーズへ展開します。向いているのは、ブランドの商品や決められたコンセプトを固定の雰囲気で伝えたい企画です。

引用:Premium Water オフィシャルサイト

3 つ目は AI Craft Aesthetic。紙、布、刺繍、粘土、木、切り絵など、手仕事を想起させる素材感で、商品やブランドモチーフを表す方法です。これまでは限られた一部のブランドしか取り組めなかった領域ですが、撮影を行わずに AI 技術を活用することで実現可能。AI 技術によって細部のディテールまで指定できるようになった技術進化により、素材感重視の制作を現実的に選択できる領域になりました。ブランド側は、使ってよい素材、避ける質感、商品との縮尺、印刷時の再現性を確認します。弊社の制作例では、ブランド企業の社会的取り組みの観点からビニールの素材が NG となり、素材を差し替えて納品したケースもございます。

引用:Premium Water オフィシャルサイト

4 つ目は AI CGI。このクリエイティブには現在、多くのブランド企業が予算を集中させています。元となるリファレンス素材の開発、複雑なプロンプトエンジニアリングや多くの生成検証を要し、ビジュアル完成後の調整・SFX(効果音)を組み合わせます。特に商品にフォーカスを当てた映像では、商品の形状、反射、表面の質感、ロゴの破綻がないかなど、各工程で細やかな確認・調整の対象になります。向いているのは、化粧品、飲料、ファッション小物など、商品そのものを主役にするキービジュアルや映像です。生成モデルや機能の高度な使い分けも必要とされています。

引用:LOEWE 公式インスタグラムより

5 つ目は AI Conceptual Visuals。ブランドの考え方や、現実には存在しない一場面を、AI ならではの表現でブランド世界の中へ立ち上げる手法で、多くのトップブランドが取り入れているスタイルです。実在の人物の顔を置き換えず、既存の作家性を模倣せず、ブランド毀損・肖像権・著作権にまつわるリスクから距離を置いたまま採用できる点が選ばれる理由です(詳しくはこちら。向いているのは、新しいブランドメッセージ、既存商品の再訴求、言葉だけでは伝わりにくい価値の可視化です。企画段階で伝えたい価値と、誤解を避けたい機能表現の扱いを先に定めることが、制作品質を左右します。

引用:WWD アーティストコラボ第二弾/弊社代表事例

5 つのカテゴリの軸足にあるのは、ツールやモデルではなく企画の選定です。同じ商品でも、認知を取りたいのか、世界観を伝えたいのか、素材感を見せたいのかで、選ぶカテゴリは変わります。これら 5 つは、いま多くの企業やブランドが実際に採用しているスタイルです。ブランド企業が生成 AI 技術を活用する場合、広告で人間のモデルを AI に置き換えない、表現の模倣リスクの高いシネマティック表現を避けるなど、個人のアーティストとは異なる要件が求められます。

弊社では、ブランドの目的に合うカテゴリの選定から、企画立案、AI アーティスト・制作チームを組み合わせた小規模検証からプロジェクト型までを一貫して担います。学習・人材研修/PoC・プロジェクト開発/社内技術導入/設計・伴走の四段階でサービスを公開しています。AI アーティストとのコラボレーションプロジェクトのご相談も承っています。