企業で生成 AI 技術の活用が一般化しはじめる前から、弊社はブランド企業と AI クリエイティブの制作、検証、公開に取り組んできました。10 都市・20 社以上の企業やブランドとの実案件を積み重ねる中で、早期に協業した企業に共通して現れた変化があります。
共通しているのは、3 つの点です。判断軸が社内に育っている、視点が変わっている、次に使える資産が残っている。
1 つ目は、実物を見ながら話せるようになっていることです。
ツールの説明を聞くだけでは、自社に合う品質やリスクは判断できません。小さくても商品画像、キービジュアル、ソーシャルメディア用の短い映像を実際に作ると、どの表現ならブランドらしいのか、どの工程で人の修正が必要なのか、社内の承認に何が足りないのかが具体化します。協業企業のなかには、自社で生成した商品画像やビジュアル素材をブリーフに入れ、弊社がキャンペーンへ仕上げる進め方へ移った例もあります。
2 つ目は、AI を見る視点が「使えるかどうか」から「自社の表現にどう活かすか」へ変わっていることです。
スピードやコストだけを目的にすると、同じようなツールを使えば表現も似通いやすくなります。早く取り組んだ企業では、自社の商品、活用領域、採用すべき表現、避けるべき表現を制作条件へ反映し、他社と同じ見え方にならない方法を検討できました。ツールが変わっても、制作条件が言語化されていれば、判断がぶれにくくなります。
3 つ目は、次の制作に使える資産が残っていることです。
完成した画像や映像だけでなく、採用したブリーフ、参照素材、修正履歴、承認条件、使用したモデルやツール、外部制作者との役割分担を記録しておく。次の企画では、その記録を起点にできるため、毎回ゼロから説明する必要がありません。こうした蓄積によって、単発の AI 作品を糧に、継続的なブランド制作への実践知としてつなげられます。
早く投資する価値は、最新ツールを先に使ったことだけではありません。実物、制作条件、記録の 3 つを社内に残し、次の案件で改善できることにあります。
弊社では、最初の共同制作を小規模な PoC として設計し、公開物と社内に残す制作記録を同時につくります。学習・人材研修/PoC・プロジェクト開発/社内技術導入/設計・伴走の四段階でサービスを公開しています。