生成 AI を使ったクリエイティブでは、同じ作品でも公開する国や地域によって確認事項が変わります。EU、米国、韓国、日本の 4 地域の動向を、法令、行政解釈、任意ガイドラインに分けて整理します。社内共有用の基礎資料としてご利用ください。

4 地域は、法令の強さも、対象範囲も、施行時期も違います。同じ表で「対応済み」と処理せず、公開地域ごとに確認する必要があります。

EU では、AI Act の Article 50 が、一定の AI 生成・操作コンテンツやディープフェイクについて、機械が読み取れる表示や、AI で生成・操作されたことの開示を求めています。すべての AI 画像に一律の表示を求める規定ではなく、対象となるシステムとコンテンツの条件を確認する必要があります。欧州委員会は 2026 年 7 月 20 日に透明性義務のガイドラインを公表し、義務は 2026 年 8 月 2 日から適用されています。EU 向けに公開する場合は、作品の種類、公開目的、表示方法を案件ごとに確認します。

米国では、著作権局が、AI の出力物でも人が十分な表現要素を決定した部分は著作権保護の対象になり得る一方、プロンプトを入力しただけでは人の著作性を満たさないと整理しています。人による選択、配列、修正、加筆がどこにあるかが重要です。ブランド側が著作権保護の範囲を確認するには、使用ツール名だけでなく、人がどの表現を決め、どこを編集したかを制作記録に残しておくと判断しやすくなります。

韓国では、AI 基本法が 2026 年 1 月 22 日に施行され、生成 AI による制作物であることを利用者が認識できるようにする透明性義務などを含みます。同時に韓国政府は、少なくとも 1 年の猶予期間を設け、その間は原則として事実調査や制裁を見送り、企業向けの支援窓口を運営すると説明しています。施行済みであっても、猶予中の運用と今後の細則を分けて確認する必要があります。

日本では、経済産業省と総務省の「AI 事業者ガイドライン」が、法令そのものではなく、AI を開発、提供、利用する事業者が自主的に取り組む事項を整理した指針として運用されています。2026 年 4 月には 1.2 版が公表されました。経済産業省は、コンテンツ制作で生成 AI を使う際の権利関係や留意点を整理したガイドブックも公開しています。日本企業は、著作権法、契約、プラットフォーム規約を確認しながら、社内ルールへ落とし込む必要があります。

4 地域を比べると、EU と韓国は法令上の透明性義務、米国は著作権登録に関する行政解釈、日本は事業者向けの任意ガイドラインが中心です。同じ表で処理せず、公開地域、コンテンツの種類、AI の使用範囲、表示、制作記録を分けて確認してください。

弊社は、生成 AI 黎明期から 10 都市・20 社以上のブランド企業と、AI クリエイティブと AI 技術によるブランドコミュニケーションに取り組んできました。学習・人材研修/PoC・プロジェクト開発/社内技術導入/設計・伴走の四段階でサービスを公開しています。各国の運用状況を含めた法人向け調査レポートについては、お問い合わせください。